貸しビル業で悠々自適という羨ましい人の話を聞くと、結構、競売により物件を取得していたりすることがよくあります。成功者は競売市場からお宝を探し当てた幸運な人達といえるでしょう。あやかりたいものです。
では、競売市場にそんなお宝があるのだろうか? 答えはYESです。ただし見る目が必要になりますが。
通常、私たちが、土地や家を買おうと思うとき、まずはお目にかかれない物件が競売市場には存在します。
例えば、共有持分のみの競売不動産は、一つの不動産を複数人で持っていて、その一部分の共有持分のみが、売却されるというものです。
これは厄介な「物件」で利用するにも処分するにも、他の共有者との協議が必要であり一般向きとは言えません。
また借地権付き建物の逆で借地権が設定されている土地、いわゆる底地もよく登場します。これなども、よっぽど腰を据えてかからないとモノにはなりません。
競売市場にはこういった変り種の物件が平然と、「普通」の物件と区別されることなく並んでいるのです。
「競売は安い」というのは全てに当てはまるわけではありません。
前述のような「キズ有り」物件は安かろう悪かろうになってしまうし、一方、処理の仕方によって大化けする可能性もあるのです。
反対に権利関係に問題が無く、明渡命令の取得も可能な物件となると、今度はライバルも多く、値段が読みにくく高値になり、時には普通に買った方が安いなんてことにもなりかねません。
競売市場でこれと思う物件を探し当てるのは、ボロ市で掘り出し物を見つけるのに似ています。不動産における、あらゆる知識と経験をフルに活用し、目利きをしなければならないのです。
競売市場は難しい面もあります。が、しかし、そこが挑戦してみたくなる魅力でもあるのです。