多くの人にとって、マイホームは一生の買い物。とうぜん、納得した物件を購入したいものです。地形、接道、間取り、構造、周囲の環境など、いくつも検討すべき条件があります。
そしてなにより気になるのが「価格」ではないでしょうか。新築でも数千万円はくだらず、格安物件を見つけたつもりが、もっと安いマンションがみつかることもあり、「適正価格」がわからないという声も良く聞きます。
週刊文春に気になる記事を見つけました。橘玲さんという作家で投資家の『臆病者のための億万長者入門』という記事です。記事によれば不動産市場は、インサイダーが有利だというのです。
インサイダーとは不動産関係者や、土地の所有者の知人などを指し、有利な不動産情報は、まず彼らを経由するので、一般の人には掘り出し物は廻ってこないというのです。ちなみに、この話しは文藝春秋から発刊された、同名の新書に修められています。
橘玲さんは投資に明るくても、すべての不動産取引の現場を見たわけではありません。掘り出し物件を一般のお客様に紹介している事例は数限りなくあります。これは掘り出し物件の定義の違いで、橘玲さんのように投資という視点で見たときと、生活のためのマイホームでは価値判断が異なるからです。
実際、書籍の中で「マイホーム購入は不動産投資」と指摘し、賃貸の優位性を説いています。不動産に対する価値観の違いがみてとれます。
掘り出し物件、お買い得住宅を希望するなら、懇意の不動産業者を持っておくことは大切です。物件情報は一瞬で業界を駆け巡るので、希望するマイホームの情報を伝えておけば、合致した物件がでたときに優先的に紹介してくれる可能性が高まるからです。
店頭に張りだした物件情報や、新聞に折り込まれるチラシは「時差」が生じるので、この点でみれば、先の橘玲さんの指摘はそう遠くありません。
懇意の不動産業者を作っても、会社勤めをしていては、今日の今日に現地を見に行き、その日に契約することなどできません。これも不動産取引で、一般の方が相対的に不利になる理由です。プロの機動力と、資本力の違いで、不動産業界がズルしているという批判はあたりません。
こうした不利を解消できるマイホーム購入方法が「競売」です。
いわゆる「建て売り」にはない魅力を持った物件と出会えるのも「競売」の魅力です。
当社がお手伝いした事例としては、暖炉を設置するなど個性溢れる設備の物件がありました。築年数は若干経過していましたが、バブル期に金を惜しまず立てた物件のため、構造もしっかりしており、まったく問題はないどころか、むしろ時間の経過は「欠陥住宅ではない」という証明とみることもできます。
また、人気が集中し、抽選になった物件が、しばらくして出回ることも「競売」の特徴です。
繰り返しますが、マイホームは一生の買い物です。納得して、お得な買い物をしたいと考えるものです。新聞に折り込まれる「チラシ」を集めて検討し、いまなら「ネット」を駆使した物件探しも一般的になっています。
これらに「競売」というチャネルをプラスすることで、よりよいマイホームに出会う確率を高めることができます。