だるま不動産 WebSite
競売マンション(自宅)。競売でマイホームをお探しなら埼玉県春日部市、国道16号線沿い 株式会社だるま不動産まで。TEL.048-662-9440
トップページ実例集 − 競売マンション(自宅)

競売でマンション(自宅)が欲しい。田中さんの場合


「競売でマンション(自宅)が欲しい」という田中さんのご希望は「3LDK程度の間取り」。築年数は新しく、東武伊勢崎線沿線。
ご予算は1000円万〜2000万円。

競売へのきっかけ

「田中 豊さん」(以後田中さんとします)から「競売で自宅を購入したい!」との依頼がありました。
 田中さんの希望はマンション。条件は、「3LDK程度の間取り」で、価格は1000円万〜2000万円。
 なるべく築年数は新しく、東武伊勢崎線沿線ということでした。

 私には田中さんが、いきなり競売での購入を望んでいらっしゃるのが疑問でした。

 そこで、初めてお会いした際に理由を尋ねると、いろいろと不動産を探されていましたが、室内のリフォーム等を含めるとどうしても予算オーバーしてしまい迷っていたところ、ふと、新聞の競売物件一覧に目が止まって、「これなら予算内で納まる」と思ったというのです。

 しかし、競売は怖いという話をよく耳にするし・・・・・競売のことについても判らないので、一度相談してみたくなり、当社にご連絡を頂きました。

競売への不安!?

 田中さん自身も競売について自分なりに、専門誌(雑誌)や知人に聞いていろいろ調べたそうですが、特に、落札/購入した際の一番の不安材料に、
* なかなか入居することができない
* 前所有者とのトラブル

 という話をよく耳にするとのこと。
 そこで私は、当社の入札代行システムをご説明し、入居者(前所有者や賃借人)との明け渡しについて全ての交渉を当社が代理で行い、田中さ んの手間が掛からない点、明渡し命令(裁判所が発行する強制執行の根拠)を取得すれば裁判所で強制的に立ち退きをやってくれる点など、をご説明させていただき、上記の不安材料について、納得していただきました。

 また、田中さんからは以下のような二つの質問も戴きました。

1. 「安全に取得できる物件かどうか事前に調べることができるのか?」
2. 「明け渡し命令の取得や強制執行の手続きもしてもらえるのか?」


 事前に十分な調査(現地訪問や権利関係)を行い、購入してから入居するまでの期間や費用を算出すること。各種手続きに於いては当社入札代行システムに含まれている点をご説明すると、ご希望に合う物件がでたら入札してみたいとのご依頼をいただきました。

競売への不安(後編)!?

 私が田中さんにお会いしてから二ヶ月ほど経過した頃、いつものように裁判所の(競売不動産の公示)情報を丹念に見ていくと、ひとつの物件情報に目がとまりました。

   1.交通     東武伊勢崎線「谷塚」駅 徒歩○分

   2.所在地    草加市谷塚町

   3.最低売却価格 1335万円

   4.専有面積   81.67u

   5.間取り    3LDK

   6.総戸数    47戸  10階建8階部分

   7.建築年    平成元年7月

   8.管理費等   ¥17,300(月額)修繕積立金含む

 田中さんが、希望にほぼ沿っていると強く興味を示され早速調査して欲しいとのご要望がありました。
 特に下記の点について重点的に調べて欲しいとのことでした。
  1. 明け渡しも含め諸経費としてどのくらい必要か?
  2. 実際の入札の際にどの位上乗せしたら落とせそうなのか?
 そこで私は、田中さんに対して、以下のように現状をご説明し、調査を開始しました。
 ◎現段階は裁判所の公示が行われたばかりで、裁判所の三点セット

 (物件明細書・不動産評価書・現況調査報告書)の公開には一ヶ月ほどかかるため、その間にまずは、現在の入居者や管理関係の調査を行い、 その後、三点セットの内容を確認し、各種費用および入札金額を決めます。

競売の調査

 まず物件の現地調査から開始(競売の手続きには六ヶ月以上かかるため直前の確認が必須です)。対象マンションは全面にタイルが貼ってあり高級感があり、周辺の環境も良好。
 共有部分の管理も行き届いており、管理組合や住人が自覚の高さが伺えます。
 管理人に来訪の目的を告げ当該住戸のことを聞いてみると、物件所有者のケンジ氏本人が住んでおり、管理費の滞納については管理会社でないとわからないということだった。

 住戸に行ってみるとケンジ氏が在宅しており、目的を告げたところ不満もあってか、いろいろな事情を話してくれ、すぐに退出するのは無理ということですが、話し合いには応じるといいます。

 その後物件明細書の公開を待って内容を確認したところ、ケンジ氏は所有者兼債務者本人であり、どうやら買受後は明渡し命令の申立てをすれば認められそうです。

 田中さんと面談し、資料を手渡すとともにその内容を説明。

  1. マンションの全体はグレードが良さそうだ。
  2. 明渡しについては明渡し命令もとれそうなので目途はつくだろう。
  3. 管理費の滞納がある。現時点で約28万円
  4. 最低売却価格の設定は市場価格の三割安程度である。
 以上を踏まえ田中さんと現地の確認を行い、打ち合わせの結果この物件の入札を決定。
 入札に当たって田中さんは予め物件の資料をもって銀行に融資の相談を行い事前検討に入りました。

 さて、次の問題はいくらで入札したらよいか? 全体の予算はどれだけか?
 これによって銀行の融資も決まってきます。

競売の予算を立てる

入札物件を決めた田中さんと、入札価格の検討に入った。それにはまず買受代金の他にどれだけ付帯費用がかかるかを出してみる必要があります。

  1. 登記費用

    土地:固定資産評価額×40%×税率5%
    建物:固定資産評価額×5%
    他に代金納付や引渡命令の手続き費用として印紙代や切手代が必要となります。・・・・約1万円弱


  2. 内装工事代

     築年の古いマンションの場合には、水回りの補修などにお金がかかるケースが多く、その分は余裕を見ておいたほうが良いでしょう。  また競売不動産ということもあり鍵の交換代なども考えておく。


  3. 明渡交渉費用

     本例の場合明け渡し命令がとれる物件なので、もし強制執行による明渡しを行う場合に要する費用として約60万円を計上した。  この金額をベースに占有者との示談交渉に臨む。


  4. 業務委託費

     入札から明け渡し完了までの諸手続きの代行や、調査、占有者との示談のお手伝いなどに要する費用であり、当事務所の場合には3%〜5%程度です。詳細は当社入札代行システムをご覧ください。


 さて以上のとうり付帯費用の予算を立てたところで、いよいよ入札価格の決定である。
 最低売却価格で落札できれば市場価格の二割安程度で入手できそうだが、最低売却価格ちょうどで、落札できるのだろうか?

入札へ

 入札価格検討にあたり、ここ最近の入札傾向をみてみることにしました。
 ここ一ヶ月で開札対象となった物件数は、約50件前後。この中から類似の物件開札結果を拾い出す。なお金融機関の自己競落またはそれに準ずる入札については除きます(本例においては、債権者内容からまずそういったことは無いと判断)。

 主な開札結果事例を検討したところ、最近の中古マンション市場の低迷から、入札なしの物件もあり、さほどの競合は考えられません。しかし、築年が新しく、また明渡し命令の取れる物件についてはそこそこ入札が集まっている。田中さんとしては、予算2000万円程度はあるものの、できれば割安で購入したい。

 そこで打ち合わせの結果、入札が1〜3本入ると仮定し、最低売却価格の10%を上乗せすることとしました。

 具体的には、入札価格1670万2千円です。
 なお、最期の2千円は戦術的につける端数。

 入札保証金を銀行から振込み、入札書類一式を整え執行官室へ提出してあとは開札を待つだけです。

いよいよ開札へ

 入札してから一週間経ち開札日。私と田中さんは地裁の不動産売却場へと足を運びました。
 午前10時、いよいよ開札。入札書の入った箱が開けられ、入札書が一枚ずつ封筒からだされます。入札書は物件毎にバインダーに挟まれて、執行官の手元に渡されます。

 執行官は渡された入札書をチェックしていく。こうした作業に30分位要した後、開札結果の読み上げに移ります。次々と開札結果が読まれ、いよいよ田中さんが入札した物件の番、「事件番号」つづいて「最低売却価格」が読み上げられます。

 ・・・結果発表です。「入札人○○建設株式会社、入札価格1380万円」から始まり、三番目に「入札人 田中 豊、入札価格1470万2千円。以上の結果田中豊を入札価格1470万2千円で最高価買受申出人と決定します」と告げられました。

 思わず田中さんと握手。落札決定です。
 田中さんと今後のスケジュールの打ち合わせで、占有者との接触は当初の予定どうり一週間後の売却許可決定が確定してからで、田中さんには融資銀行に落札できたことを報告してもらうことになりました。
 さぁ、本番です。

明け渡し交渉

 売却許可決定後一週間は執行抗告期間です。執行抗告が無いことを祈りつつ、期間の経過を待ちます。
 一週間を経過し、無事執行抗告もなかったことから、いよいよ明け渡しの交渉に。裁判所に売却決定謄本を申請し、これをもって占有者との交渉に臨みます。

 占有者と接触するため、現地へ赴きノックをしますがまだ帰っていない様子です。
 しばらく待ちましたが帰る気配もないので、あらかじめ用意しておいた手紙をドアに挟みました。

 手紙には、以前お伺いした者であること、今回の入札で当方が落札したこと、及び今後の話し合いをしたいので連絡をくれるようにとの旨を書いてあります。
 もちろん、これらの仕事は「代理人」である私の仕事です。
 翌日、占有者であるケンジ氏から当方に連絡があった。ケンジ氏は出て行かなければいけないことは分っているが、当方の条件次第であると匂わせます。
 それとなく希望条件を聞いてみると、自分の引っ越し費用や新居の資金、さらに他に借金もあるので100万円ぐらいは欲しいと。

 占有者の話を聞いてあげること、聞き出すことは代理人の腕の見せ所なのです。
 一応の言い分を聞いた後、後日連絡をすることに。

明渡し戦略

 明渡しについて田中さんと善後策を協議した結果、明け渡し費用はなるべく当初予算内とするため、次の方針を決定。

  1. 代金納付を早め、三週間後程度とする。
  2. 代金納付と同時に明渡し命令を申し立てる。
  3. 明渡し命令が発令されてから、占有者と交渉し、できる限り当初の明け渡し費用内での決着を図る。

 ケンジ氏も明渡し命令書が送達されれば、歩み寄る姿勢をみせるだろうと計算したのです。
 代金納付期日を書記官と打ち合わせ、前倒しを図るとともに、融資銀行にもこのスケジュールを知らせました。
 時は満ち、代金納付の日です。前日のうちに裁判所へ支払う残代金を、そして登記費用も税務署に振込みが終わっています。
 代金納付に必要な書類、そして明渡し命令申立書、申立書添付の物件目録、当事者目録をそれぞれ作成し、不動産配当係りのところへ。
 代金納付そして明渡し命令申し立ては無事終わった。
 後は無事に出ていってくれれば・・・・。

明渡し完了

 明渡し命令の申立ては、申立てから約10日後無事に発令され命令書が送達されました。

 これをまってケンジ氏との明渡しの本格的な交渉に移ります。もちろん、私の仕事。

 電話、そして面談での交渉を重ねます。
 

明け渡し費用50万円 明け渡し期限20日後

 で合意を得ました。当初の半分です。
 そして、合意の意思を確認するためにも合意書も作成します。

 以後明け渡しは約定通りに進み、田中さんは晴れて買受物件を手に入れたのです。

 当初の予算に比べ内装工事がやや多くかかってしまいましたが、ほぼ予定通りに進み鍵の交換で工事は終了。
 もちろん管理会社への滞納費も納めました。

 入札を決心してからここまで四ヶ月。
 田中さんは無事、競売で割安にマンションを入手することができたのです。

まずはお気軽にご相談下さい。任意売却にてお問い合わせの際は「だるまのハマダ」とお呼びしください! ダルマのはまだへのご相談はTEL.048-662-9440